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「何ですか?」と、聞き返す私に、彼は予想だにしなかったことを言ってきた。


「君は、本当にここで働く気、あるの?」


まるで皮肉を含んだような言い方に、私はカチンときた。


「どういう意味ですか?」


働く気がなけりゃ、わざわざ面接になんか来ない。

ムッとする私に、彼は淡々と答えた。


「まず、香水がキツすぎる。それに、メイクも派手だし、爪も長い。コンビニで働くには不釣り合いだ。どういうつもりかはわからないが、面接の段階で働くに相応しい格好をしてくるのが当然だと、僕は思うんだけどね」


あまりにずけずけと言う彼に、私は一瞬、言葉を失ってしまったのだった。
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