風のワルツ

何があっても…

夕ご飯を食べる時間はいつも嫌い…
家族全員がそろってるのに…
いや、そろってるのからこそ気まずい…
話題だって考えれるのは病気のことばっかりで。
お母さんもお父さんも気をつかって病気の話題は話さないようにしてるらしいからもっと話題がない……

だけど今、話題を思いついた。

「あのさ…」

「…なんだ？」

「この前話した…南蓮人の話し…なんだけど…今付き合ってるの。病気で…あと何週間かってのも話したうえで…」


ガチャーンッ


「？！お母さん？」


お母さんを見ると手が震えている。
なんだか…絶対に言っちゃいけなかった雰囲気だ。


「………蓮人に……蓮人は…なんて？……」

「えっ…何に対して？」

「…教えられてないのか？」

「何？」




「…………南蓮人は…お前の兄なんだぞ？……」



「………は？」

「血は繋がってないが…でも、………」

「ちょっと待って…おかしくない？
なんで兄の苗字が南なの？
なんで一緒に住んでないの？

それに…なんで、私の記憶にないの？」

「……話すと長くなるし…これはお前に…一生話す気がなかった。
お前にとっても…知らなくてもいい…」

「いいわけないじゃん！」

「……わかった。話すから………とりあえず母さんも…」

「あっ…今…」