風のワルツ
教室---…
「おはよ、美里依。また屋上にいたの?」
「おはよー。朝の屋上は誰もいないから落ち着くんだよ…あっ…でも今日…男の子がいた」
「へー…だれ?」
「知らないよっ興味ないし…でも…背は私よりちょっと大きいくらいで…可愛いかんじだったなぁ…」
「…南くんのこと?」
「知らないったら…」
「あれだよ!めっちゃモテんのに誰とも付き合わない…この前李佳ちゃんが玉砕されて有名だったじゃん!!」
「あぁ…李佳ちゃんの事は知ってる……確かにモテそうな男の子だったかも…」
「屋上になんの用があったんだろうね?」
「………」
あのとき…ドアの近くで立っていたあの人を無視して帰ろうとしたら…いきなり…
「…お前が笹川 美里依?」
といきなり聞いてきた。
無視もしきれなくて…
「…まぁ…そうだけど…なんで私のことを知ってるの?」
と聞くと…
「…やっぱ、覚えてないか…そりゃそうだよな……」
と苦笑して言った。
そのままそいつは「じゃ、また」とかなんとか言って屋上から出てってしまった。
私のことを知っているようだし、私もあいつに会ったことがあるようだし…
でも…覚えがない…はずだ。
「………あいつ…いったい何………?」