らぶっ!ゆるかわ男子
煌くんは鞄を漁って財布を取り出す。財布から出てきた映画のチケットを私たちに見せた。
私を含む三人は一枚のチケットを覗いた。
そして自分の席番号を確認する。
ゆうちゃんと真里は私をニヤニヤしながら見てきて「良かったね」と耳元で呟く。
きっと私の顔を真っ赤、でしょ?
「あ…隣だね」
「うっうん!!偶然だねっ」
「何か赤いけど」
「うんっ大丈夫!気にしないで!すぐ戻るはずだからっ」
"嬉しくて"何て口が裂けても言えない!!好きだって言ってるようなもんだよ!
私は自分のチケットをジッと見つめ返して、口許が緩んだのを手で隠した。
―――隣の席。
映画館でも隣になれるなんて運命ですか?
私を幸せで殺す気かな?
嬉しい。
何か、キュンキュンする。
恋って、いいね。
好きな人が近くにいるだけで、こんなにも心がホカホカして幸せな気分になるの。