らぶっ!ゆるかわ男子
話が若干反れたとも思ったけど、煌くんの話に耳を傾けた。
「オレの名前って"咲く月"って書いて"咲月"じゃん」
「…うん」
凄く、凄く綺麗な名前だと思う。
良い響きでとても煌くんに合ってる。
「満月に生まれたから咲月なんだって」
「そうなんだ」
「最初は好きだった。母さんと父さんがオレの為に考えてくれた名前だったから」
「……………」
「でも小3の時かな。"女っぽい名前"ってからかわれて、嫌いになったのは」
煌くんの次に言う台詞が、言わなくても分かってしまったのは私もそう思ったからだよね。
「この通り、ちっちゃいし母さん似の童顔だからさ」
一回でも「可愛い」と思った私は一気に恥ずかしくなった。
誰にだってコンプレックスはあるのに私はそれを笑ったんだから。
好きだと言っても、少しでも可愛さに惹かれた私がいるんだから。
「ずっと名字で呼ばせてたんだけど…高校に入って祐吾たちと仲良くなってから言われたんだ」
その日を思い出すかのようにクスクス笑う煌くんは何だか嬉しそうに見えた。