らぶっ!ゆるかわ男子
「"綺麗な名前なのに、勿体ないことすんな"って言われたよ」
「…………」
「良い名前じゃん、て。"咲月"って名前を誇りに思えって怒鳴られた」
目を細めて微笑みながら話す煌くんから目が離せなかった。
私、ちょっと煌くんと似てるかも。
私も自分の名前はあんまり好きじゃないから。
"華衣"なんて男の子みたいで、見た目も可愛らしくない。
だから、好きじゃなかった。
でも…嫌いだなんて思っちゃいけないね。
お母さんとお父さんが一生懸命考えて、初めてくれたプレゼントだもん。
「今は、オレ"咲月"で良かった」
ちょっと照れ臭そうに笑う煌くん。私も自然と笑みが零れた。
「せっかく、こうして仲良くなったんだからさ」
「………うん」
「名前で呼んでほしい」
―――いいの?
まだ仲良くなって日が浅いのに、図々しくない?
ドキンドキン高鳴る心臓の音を聞きながら、返事に迷った。