らぶっ!ゆるかわ男子


「"綺麗な名前なのに、勿体ないことすんな"って言われたよ」

「…………」

「良い名前じゃん、て。"咲月"って名前を誇りに思えって怒鳴られた」



目を細めて微笑みながら話す煌くんから目が離せなかった。


私、ちょっと煌くんと似てるかも。

私も自分の名前はあんまり好きじゃないから。


"華衣"なんて男の子みたいで、見た目も可愛らしくない。

だから、好きじゃなかった。


でも…嫌いだなんて思っちゃいけないね。

お母さんとお父さんが一生懸命考えて、初めてくれたプレゼントだもん。



「今は、オレ"咲月"で良かった」


ちょっと照れ臭そうに笑う煌くん。私も自然と笑みが零れた。



「せっかく、こうして仲良くなったんだからさ」

「………うん」



「名前で呼んでほしい」



―――いいの?


まだ仲良くなって日が浅いのに、図々しくない?



ドキンドキン高鳴る心臓の音を聞きながら、返事に迷った。
< 47 / 79 >

この作品をシェア

pagetop