らぶっ!ゆるかわ男子
「咲月は?」
その名前に心臓が跳ねた。
あの日から、勉強会の時に二人きりにされて以来、その名前に敏感になってしまった。
聞いただけでドキドキして、見かけただけで赤くなるの何てもう日常茶飯事。
「咲月も来るだろ?」
「皆、行くなら」
一緒にいても話せなくなっちゃったし、目すら合わせるのも恥ずかしくて可笑しくなりそう。
今も身体が熱くなってクラクラする。
「ちょっと華衣、大丈夫?」
「………ん。へーき」
「いや…全然平気そうじゃないんだけど」
窓にペッタリと頬っぺたをくっつける私を見て、真里は苦笑い。
だって、熱いんだもん。尋常じゃないよぉ〜…。
ジュゥーって音がなりそう。有り得ないけどさ。
「そういえば、あの後、咲月とどうなったの?」
ゆうちゃんが耳元に顔を寄せて聞いてきた。
……………どうして、あっさりと名前を呼べるんだろう?
ちょっと尊敬するよ。