らぶっ!ゆるかわ男子


「咲月は?」


その名前に心臓が跳ねた。



あの日から、勉強会の時に二人きりにされて以来、その名前に敏感になってしまった。


聞いただけでドキドキして、見かけただけで赤くなるの何てもう日常茶飯事。



「咲月も来るだろ?」

「皆、行くなら」


一緒にいても話せなくなっちゃったし、目すら合わせるのも恥ずかしくて可笑しくなりそう。


今も身体が熱くなってクラクラする。



「ちょっと華衣、大丈夫?」

「………ん。へーき」

「いや…全然平気そうじゃないんだけど」



窓にペッタリと頬っぺたをくっつける私を見て、真里は苦笑い。


だって、熱いんだもん。尋常じゃないよぉ〜…。

ジュゥーって音がなりそう。有り得ないけどさ。



「そういえば、あの後、咲月とどうなったの?」



ゆうちゃんが耳元に顔を寄せて聞いてきた。



……………どうして、あっさりと名前を呼べるんだろう?

ちょっと尊敬するよ。
< 52 / 79 >

この作品をシェア

pagetop