らぶっ!ゆるかわ男子
「固くならないで」
優しく包み込んでくれる煌くんの手は温かかった。
固くなった身体の力が一気に抜けた気がしたの。
「前みたいに普通に呼べばいいんだよ」
「………ん」
「華衣ちゃんなら、できるよ」
キュッと繋がれた手から私の熱が伝わっていっちゃいそう。
それでも繋ぎ直してしまった手はきっと本能で動いた。
だって煌くんの温もりが感じられて、煌くんと繋がった手からは勇気が貰えると思ったの。
私にとって煌くんの行動が言葉が、一つ一つが心を暖かくして勇気をくれているようで、嬉しいんだよ。
「さつき…くん」
煌くんの名前を呼んだら自然と頬が緩んだ。
ホントに、無意識に。
もう一度、煌くんの名前を口にしていたの。
「―――咲月くん」
「あはっ!二回も呼んでもらえるとは思わなかった」
片眉を下げて笑う煌くんに吊られて、恥ずかしさで顔が真っ赤になりながらも私も笑った。