らぶっ!ゆるかわ男子
君と出会ってもう3年。
でもその3年前は、私、君のことしらなかったんだよ。
―――告白されるまでは。
『…好き、なんだけど……付き合ってくんね?』
放課後に靴を履き返えようと下駄箱から靴を出したら一枚の紙切れが入っていた。
誰からかもわからない呼び出しの一言だけが綴られて。
とりあえず指定された場所に行くと君が待っていた。
『俺、隣のクラスの中川っていうんだけど…』
頭をワシワシかきながら君は私に好きだと言った。
私はただ君を真っ直ぐ見つめて「ごめんなさい」とだけ言ってその場を後にしたのを覚えてる。
だって君は噂が絶えない人だった。
顔まで知らなかったけど、名前は知っていた。
―――中川拓哉。
中学生なのに髪は茶色く明るいし、ピアスだってしちゃってて、いろんな噂がある人だと友達に聞いては呆れていたもの。
むしろ嫌いだった。
付き合うならちゃらちゃらしてなくて、一途で、優しそうな人がいい。
君は私の理想とは逆だったの。
だから断った。