らぶっ!ゆるかわ男子


だけどそんなの私の偏見で判断していただけだった。


中三に進級して君と同じクラスになって少しずつ分かった君のこと。



『木村って、好きな奴いんの?』

『……いないけど…』

『まじ?嘘じゃねぇ?』

『う、うん』

『…うぁー…良かった』

『?』


この時はまだ全然気付いてなかったけど、告白をしてくれた後もずっと想っていてくれたよね。


『中川って不特定の彼女いっぱいいるってホント?』

『は…なにそれ!?んなのいねーよ!!俺めちゃくちゃ一途だかんな!?』


自分で言ってしまうほど一途なことを知ったよ。



そして、いつの間にか名前で呼び合う仲にまでなった私と君。


嫌いだったはずの気持ちがどこかに消えていたあの頃、また一つ君を知った。


『俺っ、裕子と同じ高校受ける!』

『……学力足りてないのに?成績下がりつつあるのに?』

『…うるせー……これから頑張るんだよ!ぜってー合格してやるかんなっ』


君は誰よりも頑張り屋な人だった。
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