らぶっ!ゆるかわ男子


次々と何も聞いていないのに、自己紹介を進めていく君。


一生懸命、でも、子供っぽい。


そんな君を、私は好きになった。


「一回は諦めたけど!やっぱり俺っ」


行き場のないこの溢れ出す想いを、今、君に届けるとき。


大好きだよ。


「好きだ!!俺、裕子がす――」

「私も好きっ」



最後まで聞かないで私は君に抱き着いた。

拍子にそのまま倒れ込む。


そんなの気にしていられないくらい、君に夢中で抱きしめた。


「わ、私もっ……ずっと好きだよっ」

「え、」

「拓哉の良いところいっぱい知ったし、悪いとこも知った!こ、これからだって私―…」


知りたい。きみのこと。

君の隣で、君の全てを。
少しずつ少しずつ知っていきたいよ。



「……やべえ…」


ボソッと呟いた君に気付いて、少し離れると、君は手で顔を覆ってまた呟いた。



「すんげー…嬉しい…っ…」

「…拓哉…?」

「心臓おかしくなりそう…」
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