らぶっ!ゆるかわ男子


私もだよ。

好きってだけで、いつも心臓がドキドキしておかしくなっちゃうの。


「拓哉、手離して」

「いや、無理。絶対無理」

「なんでっ」

「無理なもんは無理なんだよ」



力ずくで引き離そうとしても、君の手の力は緩まなかった。


そして微かに聞こえた鼻を啜る音。


もしかして……。


「泣いてるの……?」

「んな訳ねーじゃん」

「でも目尻んとこから流れてるよ」

「裕子のが落ちてきたんだよ」

「嘘つかないでよっ」

「嘘じゃねーってば!」


どんなに言い返しても白状しないもんだから脇腹を擽った。


泣いててもいいじゃない。お互い様でしょ?


「…ほら、泣いてた」

「まじで…本当見ないで」


目を僅かに赤くしてこっちを見る君は少し可愛かった。


フフって笑うとデコピンをされて笑うなよって怒られた。



「泣きたくもなるよ、ずっと好きだったんだから。今いっぱいいっぱいなんだから見て見ぬふりしといてくれよ」

「…私も一緒だよ?」


そう小さく言うと君は私を見つめた。
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