それは、恋よりも甘く
俺はずっと考えてた。
病気の事、親の事、俺の事。
まあ治療する気はさらさらない。
親が俺の為に金を使うとも思えないし。
…そこは問題ではないんだ。
心配なのは…
そこまで考えて、もう角を曲がると家に着く事に気づいた。
あぁ、もうそんな歩いたのか…
そう思って、角を曲がった瞬間。
「やめ、止めてくださいっ」
そう叫ぶ女の声が聞こえた。
…薄暗い道からだ。
少し覗くと、1人の女の前に5人ほどの男が囲っている。
(…何こんなとこで盛ってるんだか。その女、あんまり可愛くもないし。)
ブスではないが、いきなり襲いたくなるような容姿でもスタイルでもない。
まぁ頑張れよ、と思って女を見捨てようとした瞬間。