それは、恋よりも甘く
美嘉がぷう、と頬を膨らました。
「ばっか、なんでもねぇよ」
「うそくさ~。美嘉、絶対優おかしいと思うけど。」
…美嘉は顔もスタイルもいいけど、うるさい。
セフレとしては申し分ないが、この検索したがる性格が玉にきずだ。
「あ~、わかったぁ!優、誰かに恋したんでしょ!!」
その言葉を聞いて、俺は固まった。
(…恋?)
一番に浮かんでくるのは、あの女の助けを求める顔。
(そんな訳、ない。だってあの女は一回見ただけで、それ以降は…)
なぜか、しっくりくるその言葉。
そんな俺を見て、冗談まじりに笑ってた美嘉も目を丸めていた。
「え、嘘…。マジで優恋してんの?」
信じられない、というように、慎重に言葉を紡ぐ美嘉。
…それもそうか。
セフレは両手じゃ数え切れないほどいるけど、恋人なんて作る気もなかった。
もちろん美嘉はそれを知ってるし、多分この学校のヤツならほとんど知ってる。