それは、恋よりも甘く
「こらそこの二人、静かにしろ!」
恋をしてる、してないでだんだんヒートアップしてきた俺たちは、声まで大きくなっていたらしい。
担任である鬼の体育教師 藤花が俺たち2人を睨んで、この話は終わった。
「よしよし、ようやく静かになったな…」
満足げに担任である鬼教師 藤花(フジハナ)が微笑む。
「今日は来月14日にある文化祭の話をするぞー。」
みんながざわざわするなか、美嘉がまた俺に話しかけてきた。
さっきとは違い、満面の笑みを浮かべている。
「文化祭だってぇ!」
「あぁ、そうだな。」
「楽しみだなー、今年はなにやるんだろ?あたし去年は喫茶店だったなぁ。」
勝手に物思いに耽り始める美嘉。
「優は去年、ホストだったよねー。あたしも行ったんだよ?めっちゃ女来てたしぃ。でも優やば格好良かったよ~」
今度はきゃあきゃあ騒ぎだした。
1年だった俺は、スーツを着て、髪を無駄にセットさせられた。
…俺はサボるつもりだったのに…