弟と私の関係-番外編-
「ん?どうした?」
「あ、いや…あのさ」
困ったように頭をかきながら、陽琉はポツリと
「リコーダー貸してくんない?」
と言った。
すると…
「あーあたしが貸してあげるよ!陽琉!!」
と一人の女の子が陽琉にリコーダーを差し出した。
「え、墨田も次使うじゃん」
「いいの。あたしはいいからどうぞ」
モヤモヤモヤモヤ。
胸がモヤモヤする。
「陽琉、良かったじゃん。その子から借りなよ」
思ってもないことが口から出てきた。
嘘だよ、いやだよ。
「……分かった、そうする」
陽琉はそう言うと、その子のリコーダーを持って走っていってしまった。