蒲公英
―かわいそうな人。






僕はどうしてここにいるんだろう。






―沙羅、寂しくって泣いちゃうよぉ!






僕の隣に、どうして君がいないのだろう。






―これから先…、責任とか義務とか、そんなものだけで生きていかなきゃなんないのかよ…?






僕の5年間はなんだったのだろう。






―5年後…。






交わした約束が本音であるとも思えずに…。






―湧己は沙羅に愛されてるよ。…今でも。ずっと。






僕は…。






僕は沙羅を傷つけた。

本当に…、永遠に失ってしまった。

もう二度と会えることはないだろう。






そう思うと…、涙がとまらない。






< 110 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop