蒲公英
―やっぱり…、長すぎたね。






沙羅の左手には5年前と変わらず、僕があげた指輪が光っていたのに…。






―信じられなかったお前の負けだ。






そう。

待つことも知らない僕は弱かった。






―ねぇ、湧己?






僕は…。






―愛してるよ?






僕だって愛している。

今でも君を。






沙羅だけを。






だけど…。






―手遅れよ。






もう…、追いかけることさえかなわない。











だって僕は、沙羅の蒲公英を契ってしまった…。











< 111 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop