蒲公英
「…みんなじゃないよ」




あかりが泣きそうな声をたした。




「だって…、ここには6人しかいないじゃない!私たちはいつも7人だったよ!?」

「あかりっ!」




大樹がたしなめるように彼女の腕を引く。

僕は首を振ってそれを制した。






「ここには…、沙羅がいなきゃだめなのに…」






その言葉を…、僕は待っていたんだ。

みんなが僕に気を使って口にしなくなったその名前を…。
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