蒲公英
「だから来たんだよ」

「え?」

「あかり。心配しなくても、沙羅は中庭にいるよ。きっと中庭には…、蒲公英が咲いてるはずだから」

「湧己…」






僕は頷いた。






「行こう。沙羅が待ってる」






一歩踏みだす。

門を抜けた。






稀沙が真横で一緒にいてくれた。

他の仲間も数秒遅れて中に入った。






僕の人生のすべてと言っても過言ではないこの場所が、ずっと僕らとの再会を待っていてくれたように思えた。
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