蒲公英
それから吹奏楽部の部室。

僕らは誰もサークルには入っていなかったけど、ここには部員がいない時間によく通ったものだ。

机の上に古ぼけたキーボードが置いてあって。

あかりがピアノを弾くという意外な特技を見せてくれた。

驚いた僕らが送った盛大な拍手。






5年ぶりに訪れた今日も、あのときと同じようにあかりは“エリーゼのために”を弾いてくれた。











…なんだか泣きそうになった。




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