Romance Cutter ―初恋の傷請け負い人 Snow Again―
別の言い方をすれば、今正にケイは、恋愛に対して「大人」になった、余裕を持つ事が出来る様になった。その余裕の表れなのかもしれない。
…勿論、笑顔の出所の定義など有るはずもないけれど、ケイが笑顔を取り戻すきっかけになったのには間違いなかった。


「…あっ、よく見たら私達、靴下で外歩いてる!」
「本当だ!…って、言う事は、僕の離れ家に入ったとき、君は至る所を泥んこに…」
「まあ、元々ケイ君の部屋、汚かったから、良いんじゃない?」
「家中だよ、家中!怒るよ、本当に!」
「…でも、顔は笑ってる。」
「…もう。」



「…二人共。早く家に入りなさい。いくら靴下をはいているからと言って、雪もひどくなってきている。さあ、傘を持ってきたから、一つずつ使いなさい。」
「お義父さん。ありがと…」
「いいえおじさま、私達、一つで十分!相合い傘、しますから!」
「み、未恋さん!?」
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