檸檬色
高校生活最後のクラス替え。
昇降口に大きく張り出されてる新しいクラス表を何度見ても、『一瀬 檸檬』というあたしの名前は問題児の集まりと噂されるG組にあるわけで。
あれ?
あたし何かしたっけ?
問題になるような事しましたっけ?
…ってな感じで。
この紙を見てからずっとこの繰り返し。
ただ現実を見たくないが為に、もうかれこれ15分くらいこの場所にいる。
お昼はどうしよう…とか、みんな恐い人なのか…とか、馴染めなかったらどうしよう…とか。
そんな不安な思いで一杯なあたしの目の前でキャーキャー騒いで嬉しがってる女子達が腹立たしくてしょうがない。
『やるならどっか違う所でやれよ。』…とか言いたいけど、あたしにはそこまでの勇気も無ければ度胸もない。
「れもーん。」
名前を呼ばれた方を振り向けば、親友である真美の姿。
「あんた何組?」
『真美~…。』
「え。何?どうしたの?」
真美にうなだれるあたしに、「そんなに最悪だったの?」と真美はあたしに聞いた。