KISSのお味
歯磨き粉のバナナ味
「…っい。おい。起きろ雅(ミヤビ)。」


 もそもそと音はするが、目は開かない。


「うー。あと10分~。」


「駄目だ。間にあわねぇだろうが。」


「うんじゃぁ、あと1時間~。」


「増やすな。」


 ほら手どかせ、なんていいながら、がっちり絡み付いて暖をとっていた腕をはがされる。


 その上最後のバリケードも、自分が起き上がると同時に剥がされた。
< 1 / 8 >

この作品をシェア

pagetop