KISSのお味

――
―――

「おはよー!!」


 加減のない力にドアが反動で戻ってくるのを手で感じながら、視線は教壇へ。


 よし。今日も間に合った。


「おはよ。今日もお早いことで。」


 すぐそこの席には親友の亮(アキラ)ちゃん。

 背の高い彼女と話すときは首が痛くなるほどなのに、こうして席についていると見下ろさなきゃいけないので、ちょっと不思議な気分。


「やっぱり!?早すぎだかなぁ……」


「あんたには嫌味も通じないの!?早いわけないでしょうが、バカ!」 


 うーん。下からでも、怒った時の迫力は絶大です。


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