KISSのお味
「多分きっと真ちゃんも大丈夫だったはず。」


 はぁー。っと亮ちゃんが眉間に皺を寄せてる。


「また杉下置いてきたの?
 乗せてきてもらったんだから、せめて待ちなさいって、いつも言ってるでしょ?
 まさか、今日はちゃんと降りたよね?」


 毎朝、私は真ちゃんの自転車に乗って学校に来る。帰りも一緒だ。
 亮ちゃんはいつも学校前の上り坂で、降りなさいって言うんだけど――







「違うよ~。真ちゃんは筋トレしてるの。そう言ってたもん。」







 あ、亮ちゃんが前向いちゃった。
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