背中合わせの恋
あたしと美穂子は新品の制服を鏡の前で着た。
「ねぇ…あたし、ダサくね?」
「麗華可愛い〜!萌える!ぎゃはは」
朝から美穂子は元気だ。
「美穂子…同級生には見えないんだけどっ!」
「失礼なっ!」
美穂子は既に新しい制服まで着こなしちゃっている。
…羨ましい。
入学生には見えない。
そんな美穂子を横目にあたしは化粧を始めた。
今日は入学式。
あたし達の入学する学校は校則が緩い。
さすがに髪染は禁止されているが、化粧もミニスカもルーズもピアスもOK。
あたしと美穂子は昨日、お揃いで鼻ピを開けた。
そして金髪だった髪も自毛で通る程度の茶髪にした。
制服のボタンもピンクのキラキラ光るハートにし、スカートは切りに行った。
あたしの親も美穂子のお母さんも呆れていたが、あたし達が進学するだけでも嬉しいみたいで何も口を出さなかった。