背中合わせの恋
「…麗華〜!時間よ、早く支度済ませて〜」
一階からお母さんが叫んだ。
「分かってる!化粧してるから待って」
「車でしちゃいなさい!遅刻しちゃうわ」
「すぐ降りるー!」
あたしと美穂子は素早く身支度をし、一階に降りた。
「おばさん、おはよぉ」
「美穂子ちゃんおはよ、制服似合ってるわー!麗華なんかよりずっと大人っぽい」
「うっせーなぁ。早く行こ!」
あたしと美穂子はお母さんの車に乗り新しい学校まで向かった。
美穂子のお母さんは、美穂子の妹の入学式と重なって居る為遅れて来るらしい。
美穂子の家もあたしの家も母子家庭だ。
だからこんな時にお父さんが居ないのは少し不便に感じる。