キミがいた場所
早紀の夢
僕と早紀はその日、初めて手をつないで帰った。

『雄ちゃんの手……あったかい』

僕は早紀の手を握ったまま、自分の制服のポケットに入れた。

『雄ちゃんもあったかい?』
ニコッと笑って早紀は聞いた。

『うん』

『ねぇ、雄ちゃん……雨』
みるとぱらぱらと小雨が降ってきていた。

『急ごう』
僕は早紀の手を強く握り直して、走った。
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