SuKi SuKi
見てるだけ
「やっぱ、かっこいいな。
好き、好き、…好き。」
只今、部活中です。
コートの中を走り回る
柊くんの後ろ姿に
そんな独り言をもらして
1人で恥ずかしくなって、
その度に好きが積もる。
バスケをしてる柊くんが好き。
見てるだけで笑みが零れて、
その度に好きが積もる。
あの後、2人で
体育館に戻って来たら
すでに練習は始まっていた。
あわてて
「早く行った方いーよ!」
って柊くんの背中を押した私に
「それだけ?」
っていつもの不敵な笑みで柊くんが言うから
さっき泣きながら話したことを思いだして、少しだけ恥ずかしくなった。
「……部活 頑ってね!」
恥ずかしくて、顔を上げられなかったけど、
「……ん、上出来。」
柊くんの優しさを感じて、また目頭が熱くなった。