アナタの笑顔は私の特権。
―ピンポーン


「……はい」


「朔楽君…。あの、これっ」

「弁当?」

「うん。持って帰ろうと思ったんだけど…」


「さんきゅ。ありがとな」


今気づいた。
朔楽君、凄く辛そうな顔をしている。

そうだよね、お父さんが亡くなったんだもんね…。


「……えっと…私、帰るね?」

忙しいはずだし、家族でいたいだろうから…。



「……。」

「…明日、来るから。バイバイ」


「…帰るなよ……」


「……え?」







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