アナタの笑顔は私の特権。
「凛先輩のお母さんの葬儀のあと、朔楽は出会った頃の朔楽に戻ってしまった。次の日には事故のことも忘れて、親父さんがなんで入院してるのかもわからないような状態だった。」


「…うそ……。」


「たぶんショックが重なったんだと。両親の離婚、事故、そして凛先輩のこと…。」


大和君はそれだけ言うと、去っていった。


私が朔楽君から離れて行くことは間違っているのかな…。


事故のことを思い出してしまったら、朔楽君はきっと……。


だったら私は側にいないほうがいい。


うん、きっとそうだ。



お葬式のあと、何も言わずに別れよう。



さようなら、朔楽君









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