先輩に一直線。

グラウンドに出ると、もう先輩たちが練習をはじめていた。
個々に外周を走っていたり、高飛びや幅跳び、短距離などたくさんの種目に分かれて、みんな一生懸命練習していた。
中には、新入部員の一年生もいたりした。

「こんにちは！」
私たちは先輩に挨拶をした。ちょっと、緊張の瞬間。
「こんにちは。君たちも仮入部？」
三年生の女子の先輩がこっちに歩いてきた。
「はい。よろしくお願いします！」
その先輩は、にこっと微笑むと、よろしくと返してくれた。
ああ、この先輩いい・・・。

「私は栗田あずみ。三年だよ。」
「私は、荻野紗季です。よろしくお願いします！」
「宮本悠里・・・です。」
「そっか。じゃあ、とりあえず紗季ちゃんと悠里ちゃんは外周走ってきてくれるかな？」
「はい！」

「じゃあ、誰か一人先輩がついてってあげないとね・・・。うーん・・・。
じゃあ、本郷くんにしようかな。本郷くん！！」


「ハイ。」



あっ・・・・・・


あの人・・・・・・