先輩に一直線。
あの人・・・・・。

遠くからアノ先輩が走ってきた。

長い足、サラサラの髪、そして、あの綺麗すぎるフォーム。


見間違えではなかった。
この前見た、あの人だった。


「本郷くん。この子たち、今日から仮入部の一年生。悠里ちゃんと、紗季ちゃん。
外周5周、一緒に走ってきてくれる?」
「ハイ。わかりました。じゃあ、行こっか。」


「ハ、ハイ!」

初めて顔を近くで見れた。
でも、本当は恥ずかしくって直視できなかった。

本郷先輩が走り出した。
私たちは後に続いて走っていく。
それにしても、やっぱりすごく綺麗だった。信じられなく無駄のない走り方。
信じられなく、しなやか。

本当に、こんな人の後ろで走れるなんて、夢みたいだ。
< 22 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop