紙ヒコ―キ
少し間をおいて、宮地葵がそう呟いた。
「はっ、え!? かか…帰る!!?」
あたしは、背を向けた彼に叫ぶ。
待って…何が言いたいの!?
「…じゃぁ、俺は帰っていいのかよ。」
口数が少ないから、意味を理解するのが大変だな…。
理由を言ってくれないかな…。
なんて思いながらあたしは必死で考えて、分かった。
「い、いや!それはダメ!!か、帰って下さい!!」
宮地葵の前に立って、見上げて必死にお願いする。
「………。」
じっと見られる。けど、あたしも負けじとじっと見る。
こんなに暗いのに、ひ…1人で帰るなんて…ムリ!!