紙ヒコ―キ
そう考えただけなのに、体がブルッと震えた。
「…早く行くぞ。」
先に目を逸らしたのは宮地葵で、あたしを置いて歩き始めた。
「ま、待って!!」
あたしは急いでその後を追う。
辺りは暗いのに、宮地葵がいるだけで、あたしは全然怖くなかった。
…でも、ずるいよ。
“関わるな”って言ったくせに、自分からあたしに関わってくるなんて。
……そんなの、ずるすぎる。卑怯!
だけど、だけどね…。
あたしが、暗いのが怖いっていうのを、覚えててくれたんだ。
そう思うと、すごく嬉しかった。