紙ヒコ―キ



…だから、あたしは大事な事を忘れてしまっていた。





宮地葵と偶然会ったこと。





宮地葵があたしが暗いのが苦手って覚えててくれたこと。





それで、一緒に帰ってくれること。





…それがすごく嬉しくて。





交わした約束を、すっかり忘れていた。





まだ気付いてないあたしは、宮地葵で頭の中がいっぱいだった。





約束に気付くのは…――。



< 112 / 275 >

この作品をシェア

pagetop