紙ヒコ―キ
――時間はあっという間に流れて、もう放課後。
結局、宮地葵とは今日一日話せなかった。
……でも、まだ時間はある。
焦って失敗はしたくないし、ゆっくりでいいよね。
「映未、帰ろー!」
そんな事を考えていると、杏里が笑顔で駆け寄って来た。
そして、あたしはふと思い出す。
綺麗な女の人とした、あの“約束”を。
「!!」
いけないっ…すっかり忘れてた!!
「…映未?どうしたの?」
1人百面相を広げるあたしを、杏里が不思議そうに見る。