紙ヒコ―キ
車の中は本当に広くて、綺麗だった。
座席も気持ちいい。
ゴミも、ホコリひとつも、どこにも見当たらない。
毎日掃除してるのかな…。
あたしのおばあちゃん車乗れないし、普段は車に乗ってないんだよね。
…だから、こんな車に乗ったのは初めて。
家もおっきかったから、やっぱりお金持ちなんだ。
なんて事を思っていたら、見覚えのある家にあっという間に着いた。
「どうぞ。」
先に降りて、扉を開けてくれる秘書さん。
慣れないながらも、
「ありがとう、ございます…」
と、小さくお礼を言った。
しょうがないじゃん…
こんな扱い方された事ないし…
どうすればいいのかわかんない……。