紙ヒコ―キ



じゃぁ、あの時の…





あたしを助けてくれたあの時の……





ものすごく悲しそうな瞳は、





その子に向けられていたの…?





「きっと……まだ忘れてないのよね。お葬式にも行けなかったし…」





「!! …どうして、ですか…?」





「あぁ…向こうの両親に、もう関わらないでくれ、って言われたのよ。」





そんな……ヒドい。





「葵のこと、すごく憎んでるの。……もう、それから葵は、ずっと笑ってない…。」





このままじゃ…絶対にダメだ。





ずっと傷付いたままで、ずっと笑えないままになっちゃう。





あたしに、出来る事はないのかな……。




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