紙ヒコ―キ
「おはよー映未!どうだった?」
いっつも元気な杏里が、あたしを見つけて走って来た。
待ち合わせ場所に先に来るのは、いつも杏里。
一体、何分に出てるんだろう…。
なんて、何で今?と思うような疑問がふと浮かんだ。
でもそれは、杏里によってかき消される。
「ねぇ!聞いてる?」
あたしの体をブンブンと手加減なしに揺する杏里。
「おはよ。何?」
全然聞いてなかった、というか、何か言ってたの?
体が揺れたことで現実に戻って来たあたしは、そんな事を思いながら、杏里を見つめる。