紙ヒコ―キ
「うそっ!何て!!?」
さらに興奮してる杏里に、
「歩かないと、遅刻しちゃうよ?」
と、あたしは冷静に呟いた。
「そ、そうだね…」
あたしの言葉に杏里はそう言って、ようやく歩き出す。
「……で?」
知りたくてうずうずしている杏里には悪いけど…
「あのさ…後でもいい?」
そう言うと、杏里は不思議そうな顔をした。
「周りに、人…いるから」
「な、何!?ここじゃ言えないくらい凄いの!!?」
大声で言う杏里に、呆れた目を向ける。
杏里が叫んだせいで、周りの人から視線を浴びる。
杏里はそれに気付いて、申し訳なさそうに「ごめん」と呟いた。