紙ヒコ―キ
「そんな…事があったんだ…」
あたし達は、本当に授業をサボって、屋上に来ていた。
全てを話し終えたあたしに、杏里はポツンと呟く。
杏里はとてもビックリしている。
そりゃ、当たり前だよね。
驚くのが普通だよ。
驚かない方が逆に怖いよ。
「うん。」
…宮地葵は、その傷を背負って今まで生きて来たんだよね…。
辛かったよね。ずっと。
……だから、あたしは力になりたい。
過去の話を聞いて、もっと力になりたいって思った。
「映未?」
ギュッと拳を握り締めたあたしを、不思議そうに見る杏里。