紙ヒコ―キ




「あのね、杏里。」





杏里を真剣に見つめる。





「…ん?」





「あたし、自殺した彼女の親に会いに行くの。…宮地葵のこと、許してもらうために。」





あたしがそう言うと、杏里はさっきより目を見開いた。





「そんな…!許してくれないよ!」





杏里があたしの腕を掴んで叫んだ。





「杏里。あたしね…宮地葵に笑ってほしいの。」





「映未……」





杏里の手が静かに離れる。




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