紙ヒコ―キ
「ずっと…、苦しんでると思うんだ。その傷は一生残るかもしれないけど、…それでも。宮地葵がまた笑ってくれるなら、あたしは頑張りたい。」
「………」
「あたしも、ずっと苦しかった。でも、周りの皆があたしを支えてくれたから、今幸せでいれる。そんな幸せ、宮地葵にも知ってほしい。」
「映未…」
「お願い。杏里があたしにしてくれたように…」
「…分かった。」
あたしの言葉を遮って、杏里は笑う。
「…応援するよ。何かあったらいつでも言って。」
「杏里……。ありがとう。」
「うん。頑張って。映未ならきっと出来るよ。」
その杏里の笑顔は、あたしに勇気をくれた。
…あたし達を見つめる空は、青く青く澄んでいた。