紙ヒコ―キ
あっ………。
慌てて口を押さえたけど、時既に遅し。
みんなの視線は、あたしに注がれている。
…もちろん、宮地葵の冷たい視線も。
「どうした?佐野。宮地と知り合いか?」
先生も不思議そうにあたしを見ている。
「…っいえ…す、すみません……。」
恥ずかしくて、俯いて小さな声で答えた。
「…そうか。じゃあ、みんな今日からよろしくな。宮地、席は佐野の前だ。」
先生に従って、宮地葵がこっちへと、やっぱりダルそうに歩いて来る。
女子のお熱い視線が、宮地葵に降り注いでいる。
……てか、何でよりによってあたしの前……!!