紙ヒコ―キ
――少しして着いた、宮地葵が前に住んでた街。
駅から出て、拳をギュッとつくる。
……頑張ろう。
心の中で、そう呟いた。
真里子さんから貰った住所の紙を、飛ばさないようにしっかりと持って、あたしは歩き出す。
空はまだ明るい。
…でも、あまり時間をかける事は出来ない。
暗いのは、やっぱり無理だから。
だから…あたしは毎日通うつもりでいる。
拒否され続けても。
――…あたしの願いが叶うまで。