紙ヒコ―キ
「す、すみません!!」
慌てて頭を下げる。
「ええ…、いいのよ。それより、どなた?」
まだあたしを警戒しているようだ。
「あっ…えっと…。宮地葵の知り合いのものです。お話を聞いていただきたいのですが…」
おそるおそる、そう呟くと。
“宮地葵”という名前が出た途端、女の人は鋭くあたしを睨んだ。
「聞きたい事はありません。どうぞ、お引き取り下さい。」
そう言って、女の人はあたしに背を向けて鍵を開ける。
「待って下さい!!」