紙ヒコ―キ



「何で…!そんなに宮地葵が嫌なんですか!!?」





女の人の背中に向かって叫ぶ。





「…娘を殺したからよ。」





あたしを見る事もなく、その言葉だけを残して、女の人は家に入って行った。





扉のバタン、という音だけがむなしく響く。





……すごく、悲しかった。





あんな怖い目つきで、宮地葵を憎んでいた。





娘を殺した、って恨んでいた。





…あの女の人が許さない限り、宮地葵は笑えない―――。




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