紙ヒコ―キ
「あのね…何度も言うけど、話を聞く気はないのよ。もう、…二度とここには来ないで。」
「イヤです。」
「どうしてそんなに…」
「ただ、話を聞いてほしいだけです。」
「だから……」
「それでも!あたしは諦めません。あなたがずっと苦しんでいるように、宮地葵もずっと苦しんでいる。」
あたしがそう言うと、女の人は顔を歪めた。
「冗談はやめて。娘を殺して、何を苦しんでいるっていうのよ!!?」
「宮地葵は、あなたの娘さんを殺してなんかいません!!」
女の人の言葉に、あたしは大きな声で反論した。
……だけど。
「もう…聞きたくないのよ…」
悲しそうに呟いたその一言に、あたしは何も言えなくなってしまった。